一般皮膚科
General dermatology

一般皮膚科

一般皮膚科では皮膚疾患全般の治療を保険診療で行なっています。

皮膚疾患には乳幼児や子供さんに多いものから加齢によるものなど実に様々なものがあります。それらは薬を塗るだけですぐに治ってしまうものもあれば、根気強くない時間をかけて治療していかなくてはならないものもあります。おくぐち皮ふ科クリニックでは、それぞれの症状に合わせて的確な治療とサポートをして参ります。

ニキビ治療

  • 思春期ニキビから大人ニキビまで「ニキビ治療」に力をいれております

    思春期になると男女とも持っている男性ホルモンの一部の作用で皮脂の分泌が多くなります。毛穴が角柱で塞がれてくると皮脂がたまってきて面皰(めんぽう)と言うものが作られます。この中にアクネ菌が増えてくると赤い炎症を起こして、いわゆるニキビの状態となります。大人になってからもストレスや睡眠不足、生理、便秘、化粧、生活習慣などの影響を受け、口の周りやあごなどに出来たりするものがありますが、治りにくく繰り返すものが多いようです。
    従来、ニキビは抗生剤の内服や抗菌剤含有の外用剤中心で治療していましたが、近年、アダパレンや過酸化ベンゾイルといった面皰(めんぽう)の治療が可能な外用剤が使用できるようになり、治療の選択肢が広がってきましたので、今まで治療が難しかったニキビも改善できるようになってきました。それでもまだ治りにくいものも有り、グリコール酸サリチル酸マクロゴールを用いたケミカルピーリング、殺菌作用のある光治療などの併用も行われます。
    医師の指導のもとケアしていきましょう!

「白斑(はくはん)」「乾癬(かんせん)」の光線治療

  • 塗り薬や飲み薬だけでなく、「ナローバンドUVB療法」という紫外線治療器「デルマレイ400」を使用した光線治療を組み合わせています。また、より輝度(光強度)の高いエキシマライトが照射できる「VTRAC」も完備しております。

その他の主な皮膚疾患

  • アトピー性皮膚炎

    アトピー性皮膚炎はかゆみの強い湿疹が、よくなったり悪くなったりを繰り返す慢性の疾患です。小児の10%以上は発症し、その有病率は年齢とともに減少していく傾向にありますが、成人アトピーは増加していると言われ、中には高齢になってから発症する方もいます。アトピー性皮膚炎の発症には皮膚バリア機能異常、アレルギー性炎症、かゆみの知覚過敏、遺伝要因などが関連しており、その悪化因子は食物、汗、乾燥、ダニやホコリ、花粉などの環境因子、シャンプー石鹸、洗剤などを含めた化学物質、表面が荒い素材の衣類、ペット、細菌やカビの感染、ストレスなど様々なものがあるとされます。

  • 水虫・爪水虫

    水虫・爪水虫とは「白癬菌(はくせんきん)」というカビが寄生することで起こる病気です。症状は水泡ができてかゆくなるもの、足の指の間の皮が向けたり、ただれたりするもの、足の裏がカサカサになるなどのタイプに分かれます。また爪が白色や黄緑に変色したり、厚く肥厚してくる爪水虫もあります。爪水虫は飲み薬での治療が基本になります。周りの方にうつしてしまう感染症なのでしっかり治しておきましょう。

  • 魚の目・タコ

    魚の目は、足のウラの皮膚の角質の一部が過剰に厚くなって出来ます。固くなった部分の中央に丸い芯があって魚の目のように見えるため「魚の目」と呼ばれていますが、正式名称は「鶏眼(けいがん)」といいます。芯はなく単に部分的に皮膚が固く厚くなったものはタコで、正式には「胼胝(べんち)」といいます。いずれも患部に慢性的な外的刺激を受けることで生じます。長時間の立ち仕事や、過度の運動、サイズの合わない靴の使用などが原因で生じますが、それ以外にも腰椎や下肢の関節に疾患があったり、下肢の筋肉の衰え、足の裏の脂肪の減少など加齢変化も関係してくるものです。角質を柔らかくする絆創膏の貼付やカッターやドリルで削るという対症的な治療が主になりますが、再発が多いものです。

  • 手荒れ・手湿疹

    手荒れ、手湿疹は何か刺激になるものに触れることで起こるので接触皮膚炎とも言われます。シャンプー、石けん、消毒液、などの化学的刺激や紙、段ボール、布などの物理的刺激で手の皮膚の角層バリアや皮膚の細胞そのものを壊してしまう『非アレルギー性の刺激性接触皮膚炎』と、肉、魚、野菜などに含まれるタンパク質植物や、金属、ゴム、樹脂、農薬、毛染めなどに含まれる物質にアレルギーを持つ人だけがなる『アレルギー性接触皮膚炎』に分けられます。手湿疹の方は皮膚のバリア機能が低下している可能性が高いので、皮膚から刺激になるような物質が侵入しやすくなっています。手袋などを使用して手の保護に気を使うことやスキンケアとしての保湿剤の使用が重要となってきます。

  • 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

    掌蹠膿疱症は、手の平や足の土踏まずなどに小水疱や小さな膿をもったような発疹(これは実は化膿していないので無菌性膿疱と呼ばれます)が多数見られ、寛解と増悪を繰り返します。患者さんは女性が多く、8割以上が喫煙者とも言われます。手の平や足の裏の皮膚は他の部位よりニコチンの影響を受けやすいことが付け根に痛みが出る胸鎖関節炎を生じたりします。掌蹠膿疱症の原因として扁桃腺や歯科領域に感染病巣が関係しているとされ、また歯科金属アレルギーなども関係していると考えられています。治療は手足の皮疹にステロイド外用剤を使用し、ビオチンというビタミン剤の内服をすることが一般的です。紫外線照射も効果的な治療の選択肢の一つです。 しかし、症状がなかなか改善しない例は扁桃腺摘出を行うことや虫歯や歯槽膿漏、歯周炎などの歯周病の治療で皮膚病変の改善が期待できます。さらには金属アレルギーのある方は歯科金属を除去して、非金属の材質のもので歯科治療を行うことも有効です。

  • 陥入爪(かんにゅうそう)・巻き爪

    爪が周りの皮膚に食い込んで炎症を起こしているものを「陥入爪」、爪が単に巻いて弯曲しているものを「巻き爪」と言います。「陥入爪」「巻爪」はすき間に皮膚が食い込む”深爪”や、サイズの合わない、調節がしにくい履き物が原因で起こります。また、爪は皮膚と同じケラチンという物質で構成され、本来巻いていく性質を持ちます。それを趾の腹側から歩行などの圧がかかることでゆるやかなカーブを作っていると考えられています。ですから座ってばかりいてほとんど歩行しなくなった方や寝たきりの方が巻き爪になることもあります。 「陥入爪」や「巻き爪」になってしまったら、治療はテーピング、ガター法、マチワイヤーやVHO法による爪の矯正、フェノール法による部分枝爪などがあります。

  • 蕁麻疹(じんましん)

    何らかの刺激を受けたことがきっかけで、血液のある成分が血管外へ漏れ出して皮膚にミミズ腫れ(膨疹)や赤み(紅斑)が生じ、かゆみを生じます。アレルギー性のものと非アレルギー性のものがあり、原因は食べ物(食品添加物を含む)、薬剤、日光、細菌やウイルス感染、寒冷や温熱の温度変化、発汗、緊張やストレス、運動、圧迫刺激など多様なものが考えられていますが、原因を特定することが難しいことが多いようです。1ヶ月以上持続するものを慢性蕁麻疹といいます。治療の基本は抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服になります。

  • とびひ

    とびひの正式な病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といい、その大半は黄色ブドウ球菌が原因です。この細菌が作る毒素が皮膚の細胞を壊し、水疱やただれを生じさせ、周囲にどんどん広がっていきます。抵抗力の弱い小児にうつりやすい病気で、虫刺されや湿疹などかき壊した傷や擦り傷などから感染します。治療はこの細菌をターゲットにした抗菌剤の治療が必要になります。

  • 石イボ・水イボ

    石イボも水イボも皮膚ウイルス感染症です。 石イボは皮膚の小さな傷からHPV(ヒトパピローマウイルス)が侵入して生じますが、厚みを帯びて硬いところから「石イボ」と呼ばれます。正式には「尋常性疣贅」といいます。その多くは手足に発生します。子供さんに多い印象ですが、広い年齢層で見られます。少しずつその大きさや数を増やしてくるので治療が必要ですが、石イボに対して確立された確実な治療法はまだなく、最も標準的に行われるのが液体窒素で冷凍凝固させる方法です。効果が出るまで時間がかかることが多いので、根気強く通院してもらう必要があります。それ以外にもヨクイニン(ハトムギのお薬)の内服、薬品で腐食させるもの、薬品でのアレルギー反応を利用するもの、ビタミン剤の外用、抗がん剤の注射、レーザー照射など色々な工夫がありますが、治りにくい場合も多いものです。水イボは正式には「伝染性軟属腫」といい、その名の通り「伝染性軟属腫ウイルス」の感染によります。水イボは大体子供さんの発症が多く、接触することで感染します。治療はイボをピンセットで摘出していくことになるので、痛みがあることや傷をつけることが問題になります。水イボは基本、自然治療が期待出来るもので、自然にイボが消失するのに半年から1年程度と言われています。

  • 単純ヘルペス

    単純ヘルペスとは「単純ヘルペスウイルス」による感染症で、1型と2型があり、1型は口唇に生じやすく、2型は陰部や臀部に多く生じます。疲れやストレスなどで免疫力が低下した際や強い紫外線に当たった時に、体内にある「ヘルペスウイルス」が活性化して皮表に小水疱の塊を作り、ピリピリした痛みやかゆみを覚えます。抗ウイルスの外用や内服でウイルスを沈静化させます。

  • 帯状疱疹

    帯状疱疹は、体の片側に帯状の赤み、小さな水ぶくれが生じる病気で、子供の頃にかかることの多い「水ぼうそう」の原因ウイルス「水痘・帯状疱疹ウイルス」で起こります。 このウイルスは「水ぼうそう」にかかったことがある方は、皆、体内に保持されているので、どなたでも帯状疱疹にかかる可能性があります。発疹は神経の走行に沿って炎症を起こすので、強い痛みを生じることが特徴です。発症は幅広い年代で見られますが、疲れ、ストレス、病気、加齢など体の抵抗力や免疫力が低下した際に発症しやすいものです。一般的に特に高齢の方で多く、患者さんの約70%は50歳以上の方です。治療は「水痘・帯状疱疹ウイルス」を抑制する抵抗ウイルス剤の内服が必要です。一部の方に、帯状疱疹後神経痛が残ることがあり、治りにくい場合があります。50歳以上の方に保険外ですが、予防のワクチンが接種できるようになりました。

  • 脱毛症

    円形脱毛症は年齢や性別は関係なく誰にでも起こりえる疾患です。突然小型の脱毛班が1個〜多数起こり、その部分の毛髪はするっと痛みもなく抜けてしまいます。原因はまだ解明されていませんが、自己の手包を対しての免疫反応が起こってしまうことで毛髪が抜けてしまうものと考えられています。円形脱毛症には自然軽快するものから、治りにくいものまであり、治療として一般的には内服薬や外用剤を用います。それ以外の治療には液体窒素療法、薬品によるかぶれを利用した局所免疫療法、紫外線照射、ステロイドの局所注射などがあります。広範囲に及ぶ脱毛についてはステロイドの点滴も行われます。男性型脱毛症は男性ホルモンが関係する脱毛で、おでこの生え際が後退して、頭頂部が薄くなってくるものが多いのが特徴です。男性型の脱毛症は、抗男性ホルモン剤の内服薬を使用します。市販の育毛剤の併用も効果的です。

  • 熱傷

    熱傷はそのダメージをけた深さでI度、II度、III度に分類します。重症度は温度×時間で決まります。塩分濃度の高いもの、例えば味噌汁やラーメンのスープなどはお湯よりも高温になることもあるので注意が必要です。電源の入ったアイロンや炊飯器から出る蒸気なども小さな子供は興味を持って触ってしまうので手の届かない場所に置きましょう。タバコの温度は700〜800度とされていますので、こちらも子供さんに触れないよう気をつけましょう。一方、使い捨てカイロや湯たんぽなどはそれほど高音ではないのですが、長時間皮膚に密着するので、その間皮膚の深部まで熱が及ぶので深い治りにくいヤケドになってしまいます。基本はとにかくしっかり冷やすことが必要です。水ぶくれなどが出来ても破ったりせず、早めに受診してください。